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11月28日と29日、冨士谷あつ子脚本「源氏夢幻」(創作舞踊劇)をアルティ(京都府民ホール)で上演しました。監修:松尾正武さん、演出・振付は今中友子さん、衣裳構成は時広
真吾さん。マチネとソワレ合計3回。文化庁支援事業で6月から実施の「若者と学ぶ源氏物語とその世界」(講座とシンポと実習)の締めくくり。紫式部が藤原道長におもねって、多分、目前のステキな一条帝(漢籍に詳しい教養のある后の定子さまをひたすら愛していた)をモデルにしながら、泣き虫で政治執務を怠けたダメ男として桐壺帝を造形したにつちがいないという仮説から執筆。
国際派舞踊家の振付が素晴らしく、ダイナミックであり、ちょっぴりエロティックでもあり。六条御息所の生霊の分身あり、車争いあり、朧月夜の誘惑あり。可愛い少年光君も、若紫も登場。成人した光源氏は中国青年の張縁睿さん。中国の女性が芥川賞を取る時代。中国青年が光源氏を踊ってもいいんじゃない?
狂言回しは、源氏物語グルーピーの菅原孝標女に色好みの平中ら。つまり、源氏物語成立の前後の時代の男女が、源氏物語の時代の男女を批判したり憧れたり。女は男を待つもの、帝は多数の女性を宮中に集めて愛さねばならず、一方、貴族の男性は正妻があってもあちこちの女たちのところに通うのがあたりまえ、という固定観念。こんななかで、「まことの愛」は、どうすれば成り立つのか?
1991年秋、私はウイーンで拓かれた国際ペン会議の「自我部会」デ、「源氏物語とわが作品『宇治の流れに』」についてというあつかましいスピーチをしたが、あの頃はまだ源氏
物語のことをよく知らなかったくせにと、汗顔の至り。でも、「世界女性文化会議・京都2001」を実行委員長として開催し、国際的な論考に接し、はたまた「源氏物語千年紀」に
ちなんだ今度の事業を仕切って、おかげでずいぶん勉強させて戴いた。その結果の創作舞踊劇と言うコラボレーション。アルティは3回とも満杯。マチネからソワレにい続けたリピーターもいて大好評。
「光源氏がオヤジの桐壺帝の亡霊に<心して生きよ>とたしなめられるなんて、初めての
作品」という声をはじめ、アンケートは「非常に良かった」が圧倒的。「もう一度見たい」という要望も。桐壺帝の西園寺章雄さんがキメてくれた。時広さんの斬新なジャパネスク風
衣裳は、海外のどこでも演じられると思う。シェークスピアを日本人が好きなように演出するように。そんな、普遍的なホンを書いたつもり。実際、源氏物語は欧米でも知識人しか知らないんだから。もっと、面白くいじって、世界中で楽しもう。ただし、ミーハー的なオマージュ作品じゃあダメだと思うな。この創作舞踊劇、やがてビデオが出来ます。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~lifelong/atsuko/
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